Tuesday 14 December 2010

愛しのサンフランシスコ4

 この日は観光というよりは
気の赴くまま自由な一日を楽しむことにしました。


1 クロム とオーガニックスーパー

少し遅めに起きたので、
11時のホテルバスでMarket Stの南側、
ウェスコンシンウェストへ。

この辺りは会議場などの大きな建物が多く、
この時も大規模な全米会議が開かれているようでした。

サンフランシスコは
コンパクトに色々な施設が揃っているので、
とても便利で歩きやすい。


夫の要望で
CHROME(クロム)という自転車グッズの店に向かいます。
サンフランシスコとニューヨークにしか店舗がありません。
このブランドのバッグは
自転車乗りのために作られた特別なバッグだそうです。


バスを降りてから10分程歩いていくと
周りは寂しい雰囲気になってきますが、
そこにクロムがあります。


モダンに改造されたガレージのような店内は
広くて静か。ディスプレイも洗練されています。

店内まで自転車を乗り入れてきて
店員と親し気に話す人がいて、
根っからの自転車好きのための交流場のようです。

100ドルほどのバッグを購入。
日本で買えば2万円相当らしい。
指なし手袋やカタログもプレゼントされ、夫は大満足。

早速バッグを使い始めました。


Market Stへ戻る途中、
オーガニックスーパーに立ち寄りました。

今回初めてのスーパーなのでワクワク。


新鮮食品やお菓子、
洗剤や石鹸などの日用品もあります。

周りの寂しい風景からは想像できないほど、
多くの若者が買い物をしています。
丁度昼時だったので
仕事場から抜けてきているのでしょうか。
スタイルにこだわりを持った客が多いように見えます。


お土産のクッキーと
自分用のはちみつと石鹸を買いました。
石鹸は質が良く安かったので
もっと買うべきだったと後で後悔しました。


サンフランシスコには
オーガニックレストランやオーガニックスーパーが多く、
他の地域と比べて
環境や健康に対する意識が高いようです。


次にSFに来る機会があれば、
またこのスーパーに行きたいです。


2 ビクトリアンハウス

中心街からバスに乗り、
降りるとそこは静かな高級住宅街で
映画やドラマの舞台にもなっているという地域。

ビクトリアンハウスは
3階建ての高くて細長い家。
デコレーションがヨーロッパ風で
淡い色合いがユニークで美しい。

1階部分が駐車場になっているので
玄関は見上げる位置にあり、
巨大な建物に見えます。


丘だらけのため景色が前後左右、
上下に開けていて楽しい。

リビングルームの窓ごしに老婆が
クリスマスツリーを飾り付けているのを見て、
典型的な映画の世界だねえ、と
話しながらなんだか嬉しくなります。

なんと日本の寺もビクトリアンハウス。

 Fillmore Stに出ると、
お洒落なファッション専門店、カフェ、
レストラン、化粧品店が並んでいます。

そこを歩く人々は一段と洗練されています。


お腹が空いていたのでベーグル屋に入り、
長々と悩んでから玉子のベーグルを注文。
美味しいけれど量が多いかったので残りはテイクアウト。

ベーグル屋はよくあるファーストフード店とは違い
清潔で明るい雰囲気で、
入り口の壁に貼ってある地中海風のタイルも可愛い。


そこからChestnut Stへ歩きましたが、
目新しい町並みが続くので疲れを感じません。

真冬なのにあちこちに
花が咲いているのも嬉しいです。


Chestnut StはFillmoreより
歩いている人の年齢層が広く賑わっています。
可愛いベビー服の店がいくつかあったので、
友人の赤ちゃん用にギフトを選びました。


 本屋さんにも立ち寄り帰路につく。


夜は近くのベトナム料理屋で最後の夕食。

治安が悪く歩行者も少ない通りにも関わらず、
レストラン内は満席で
ベトナム系やそうでない人も料理を楽しんでいます。

確かに味は一流だし、なにより安い。
大きいフォーが8ドルくらいでした。


二人で焼きそば、フォー、生春巻きを食べて
お腹いっぱい、幸せな旅行を振り返りました。


 まとめ

仕事でミズーリ州に行ったことはありますが、
きちんとした米国での旅行は今回が初めてでした。
その初めての旅行としては
サンフランシスコは丁度良かった気がします。


賑わう町の中心部がコンパクトにまとまっていて、
交通手段が充実しているので
色々なところへ簡単に足を伸ばせます。

そういった感覚は
ヨーロッパの都市や東京などに似ていて、
逆に車が必要なアメリカの地方都市とはだいぶ違ます。


アジア系、アフリカ系、ヒスパニック系の人々が多く、
それぞれの文化が共存するのもこの町の魅力。
美しい海を望む温暖でレトロな多民族都市という点では、
シドニーに似ているところもあります。

先駆的な若者が多く、
クリエイティブな空気もあります。

グーグルなどITビジネスやシリコンバレーの拠点となっているので
高額所得者が多く、不動産価格は全米でも
ニューヨークと争う程、人気の町だといいます。


一方、リムジンが行き来する傍らで
ホームレスが食べ物を探し、
麻薬中毒者やヒッピーがたむろする。

町はトイレ臭がし、ゴミが散乱している所もある。
夜になると治安が悪いエリアを避けて
歩かなければならなりません。

チップ制など極端な成果主義のためか、
店やレストランでは売買行為以外のサービスに無頓着なところがあるし、
サービスがあっても嘘らしい。


外側だけを見ると美しいこの町も、
ミクロの視点から見れば問題は山積みだと感じました。



それでも、いつか住みたい町だなあ
と思ったのも確か。

大満足の旅行でした!

Monday 13 December 2010

愛しのサンフランシスコ3


1 ケーブルカー

朝食後ユニオンスクエアまで歩き、
ケーブルカーPowell線に乗るため
チケットを購入して並びます。


ケーブルカーが戻って来ると、
ターンテーブルのように地面が回され、
次の出発に備えて向きを変える。

その風変わりなシステムも
ケーブルカーそのものも昔のまま。

すべてが効率的である必要がない理由が
見てとれる気がします。


日本では危ないからと禁止されそうなものですが、
途中乗車、降車ありで、
外から車両にへばりついた格好の立ち乗りもあり。

それを許さなければ、
この可愛らしい小さなケーブルカーを
存続させるだけの経済効果はなく、
大きく実用的なトラムを作るのみ。

でもそれではあまりにも悲しい。
サンフランシスコの古びたケーブルカーと坂道と海は、
切っても切り離せない仲なのだから。


丘が多く、途中で町を一望できる。
午前は霧が多くて橋やアルカトラズ島は見えませんが、
丘丘に立ち並ぶビクトリアンハウスの風景は
まさにあのSF。


2 ギラデリチョコレート

ギラデリスクエアで降車し、
ギラデリの建物へ直行。

さすがチョコレートの店が多く、
可愛らしい雑貨店、カフェもちらほら。

チョコレートを買い、
チョコレートドリンクを飲む。

有名らしいパフェも食べたかったのですが、
あいにくお腹がいっぱい。


外のスペースにはシドニーから来た
スクールバンドが演奏をしていました。
音楽で有名な学校らしい。

ツアーで地球の裏側まで来るなんて、
やることが大胆。

子どもたちにとっては良い経験になるに違いない。


3 フィッシャーマンズワーフ

魚介屋台を求めてFishermans Wurfまで歩く。


このエリアは特にマリワナの匂いが。

カリフォルニアでは最近
医療用マリワナが合法になり、
市内の広告雑誌には麻薬の広告が堂々と載っている。

気付かずに受動喫煙をしている人々や子どもたちにとって
良いわけがない。


やっとたどり着いた海産物の露店。


多くの人が外でカニやカキや海老を食べています。

早速私たちは大きなエビの茹でたものと唐揚げを買いました。

茹でエビを食べてみて、
このタイプのエビはあまり味がないことが判明。
だからケチャップを付けたり、
唐揚げにする必要があるんですね。

カニにするべきだったかなと思ったりもしましたが、
もしカニに味がなかったもっと悲しい。


ショッピングエリアは2階建ての村のような雰囲気。
面白い雑貨屋さんもありますが、
大抵ありきたりの土産屋で、
品物も似たようなものが大量にあって値段が高い。



4 ゴールデンゲートブリッジ

タンデム自転車を借りて、
Golden Gate Bridgeを渡る。

夫は喜んで猛スピードで海岸沿いを突っ走った。

予想しなかったのはその道のり。
橋にたどり着くまでもかなりの距離でしたが、
橋を渡りきるのも大変なことでした。

エネルギーが有り余っている夫に
ほとんど任せきりでした。


午前中一杯霧が濃く、
フィッシャーマンズワーフから
橋も見えないくらいでしたが、
午後になりやっと晴れ間がでてきたところ。

帰りの橋の上では
丁度右手に太陽が沈むところを見ました。

その美しさは言葉にならないほどで、
こんな景色を毎日見ることができる人たちを
羨ましく思いました。

写真ではそうでもないG.G.Bも、
実際に見るとずっと美しく、
サンフランシスコの人々にとっては
宝のようなものだろうと思います。

またまた、こんな良い思いをしていいのだろうかと
申し訳なくなりました。


奇麗な景色を楽しんで運動した後は、
名物のボウディンのクラムチャウダー。

イーストを使わず酢で焼いた人気のパンは、
大きくて酸味があります。
そのパンの中身がくりぬかれて、
中にたっぷりのクラムチャウダーが入っています。

くりぬいたパンも付いてくるのでかなり大きいですが、
なんとか最後までいただきました。


周りを見ると、クラムチャウダーだけ食べて
大きなパンのほとんどを捨てる人が多い。

自国で飢えに苦しむ子どもたちが問題になっているのに、
食べ物を平気で捨ててしまうことに
罪悪感はないのだろうか。

店側も毎日大量のパンを作って
大量のパンゴミを片付けるよりは、
食べきれる量を出して
ゴミを減らす工夫をするべきだと思います。


食べかけのパンで一杯になったゴミ箱をいくつも見て、
やりきれない気持ちになりました。


バスに乗ってオークランド側の橋を眺めながら
China Town、Financial Districtを通ります。


ウィルスミスの『幸せのちから』は
このあたりで撮られたのだろうか。
そして『トロン・レガシー』は?と
 考えているうちに
Market Stを通ってシビックに到着。


冒険的な一日でした。


つづく

Sunday 12 December 2010

愛しのサンフランシスコ2

たっぷりの朝食を楽しんだ後は、
昨夜から予約していたホテルの無料シャトルバスで
Union Squareへ。


クリスマスのデコレーションと
ヨーロッパのような町並みですっかり興奮気味。


1 ショッピング

この日はショッピングに重点を置いて
円高の恩恵を受けることにしていましたが、
結局あまり良い品物を見つけることができませんでした。

馴染みのアメリカンブランドは
日本の店の方がセンスが良いし、
デパートでは至る所に埃がかぶっていて
薄汚れた普段着を着た人々が物色している。

品物が魅力的に感じないのはディスプレイのせいか、
品物そのもののせいか?

贔屓のブランドがあれば
安くていいかもしれないけれど、
変わっていて良いものを見つけるのは難しい!


この日はクリスマスの2週間前の土曜日。
ユニオンスクエアは買い物する家族連れで溢れています。

高級デパートや高級ブランドと言われる場所でも、
ほとんどの人がカジュアルな服と
運動靴を身に着けています。

そういうわけで、念のために持ってきたハイヒールは
旅行中スーツケースから出されぬまま、
日の目を見ることはありませんでした。

デパートのバッグ売り場では、
高価なバッグが無惨にもしわくちゃに積まれ、
まるで数百ドルには見えません。

飾らないところはいいけれど、こだわらなすぎ?

 
中年男性はたいてい腰を重そうにして
家族に付いて回っていますが、
女性下着専門店ではハキハキと
自主的に買い物をしているのが面白い。

ディスプレイ分では満足しないのか、
引き出しまで勝手に開けてパンティーを開いて見るしまつ。
奥さんに贈るのだろうか?


それにしても一体どれだけのお金を
クリスマスに費やしているのだろう。

手に手にぶらさげている大きな紙袋の中身は、
本当に使われるのだろうか?

大量生産に大量破壊。
世界の一部の人が日々気をつけている効率、節約が、
ここでは台無し。



2 現代美術館

4時頃、3rd Stのスターバックスで休憩した後は
SFMOMAへ。

3、4階まであり見応えたっぷり。
閉館まで1時間半しか時間がありませんでしたが
十分楽しめました。


人気があるらしく観客が多い。

写真撮影も注意されないので、
カメラ片手に鑑賞している人も。

 
特に面白かった写真作品には、
アメリカの美意識や文化が凝縮している気がしました。

一見無駄な枠取りのようであっても、
不思議とそこに遊びを感じたり、
思想を感じることができます。

全てのことに意味があり
計算されている芸術では感じられない、
漠然とした何かが鑑賞者を惹き付けるのかもしれません。

一枚の絵というよりも、
その一瞬から何かが続いていくような、
どこか中途半端なところに美を見ることができました。

夫が靴を試着する際に上着を壊してしまったので、
H&Mで安い上着を買うことにしました。

H&Mの男性エリアは
戦争か何かの後のように凄まじく荒れており、
店員まで散乱している服を足蹴にしながら
疲れきった表情で整頓していました。

服をもとの場所へ戻さないで
投げ捨てる人がいるらしい。

ちょっと信じられませんが、
フードコートで食べ残しを床に放る人々を見ると、
その可能性は大いにあります。


3 スケート

夜になり、スケート場は満員。
イルミネーションを点けた建物に囲まれ、
巨大クリスマスツリーの下のスケートは
とても奇麗でロマンチック。

次のグループは10時からということで、
美味しいホットドッグを食べ、
並んでチケットだけ買って時間までブラブラします。


スケート場へは張り切って2番乗りで入り、
興奮した子どもたちとリンクへ出ました。

久しぶりで初めは慣れなかったけど、
徐々に自信を取り戻します。

サンフランシスコは東京より暖かいので、
数人以外は素人ばかりでどしんと尻餅をつく人続出。
 それでも子どもたちは上達が早い。

パトロールのおじさんは、
純真無垢な子どもたちと大好きなスケートができて
お金をもらえるのは夢みたいだと、
終始笑顔で話していました。


昼間に見た建物はドレスアップの装いで
全く違った色を見せていました。


ぐるぐると回るスケートリンクの中から、
メーシーズの数えきれないリースのデコレーションや、
ライトアップされたビートルズの広告、
高く真っ直ぐなクリスマスツリーが
何度も何度も順番に目に入ってきましたが、
ちっとも飽きることはありません。


私たちは今、
真夜中のサンフランシスコのツリーの下、
銀色に輝くスケートリンクで悠々とスケートをしている…

こんなことが20代の自分たちに起こるなんて、
罰当たりのような気もしました。


キラキラとした町を眺めながら
夢みたいな1時間半はあっという間に過ぎて行きました。


つづく

Saturday 11 December 2010

愛しのサンフランシスコ1

初めてのカリフォルニア旅行。
とても楽しみです。

夫は出張で既に米国にいたので、
久しぶりに一人で長距離飛行機に乗ることになります。

1ヶ月前から蕁麻疹を抱えていて
毎日薬を飲んでいたこともあり、
少し不安な出発となりました。
 
冬の米国旅行ともなると
荷物もかさばるだろうと覚悟したものの、
小スーツケースに空白ができるくらいに
収まってしまいました。


1 みちのり

搭乗口では、搭乗予定時刻の30分前に
既にアメリカ人の長い行列ができていました。

席は決まっているのになぜだろう?よく見ると、
多くの人は持ち込みサイズぎりぎりの
スーツケスやらバッグを持っている。

早く乗れば確かに荷物置き場を確保できるかもしれない。
そのために荷物を置くスペースがない人もいるのだけど。


ANA機内はカップルや研究者が多いようです。

斜め前の席にいた韓国人(または韓国系アメリカ人)男性が、
隣に座った2人の日本人女性に親切に
あれこれ世話を焼こうとしていたのがおもしろかった。

 搭乗の際、女性のために荷物を上にしまってあげてから、
女性が「サンキュー」と言うと、
「yes, let's go!」と一人で張り切っていた。


サンフランシスコに着くと、
難なく入国手続きと荷物受け取りを済ませました。

日本人の女性たちに紛れて検査場を通ると、
上機嫌な検査官が日本語で
「さよなら」と疑うことなく通してくれました。

サンフランシスコから国内線へ乗り換える人も多く、
乗換者にはセキュリティーチェックが厳しいらしい。


現地は朝9時くらい。


8.1ドルの地下鉄に挑戦することにしました。
BART という地下鉄駅は
国際ターミナル内からつながっている。

券売機は変わっていて、
まず行き先の金額を表で確認、お金を機械に入れ、
10セントずつ足したり引いたりしながら
ボタンで表示を調節する。

非効率的だけど、
良く言えば発想がおもしろい。

なんとか乗車、
車内でハンバーガーを頬張る女性を横目に、
たった30分程で目的地のシビックセンターに着きました。


午前10時頃。



町はまだ朝の冷たい空気と
平日(金曜)らしい忙しさがあります。

午前中霧に覆われるのがサンフランシスコの特徴で、
この時も曇っていました。

それでもMarket St沿いは賑やかでお洒落な空気があり、
石造りのヨーロッパ風建物は、
ここが異国であることを実感させてくれます。


しかし明らかに旅行者の格好をしている私は、
旅行気分に浸っている場合ではありません。

駅を出るとすぐに地図を頭の中に詰め込み、
なるべくきょろきょろしないように颯爽と歩く。

ホテルは駅から若干1キロくらいですが、
ベトナムタウンの中に位置し、
職業安定所らしき施設が近くにあるので
治安はあまり良くないと聞いていました。

いかにも映画に出てきそうな
ホームレスらしい格好をしたおじさんが道端に立っており、
私を見るとにこやかに「モーニング」と言ったので、
こちらも「モーニング」。
相手がどんな人であれ、初めは笑顔が肝心だ。

おじさんは道行く若い女性だけを見ているようだ。

Market Stから中に進むにつれて、
なんだか怪し気な雰囲気になる。
時折通り過ぎる小さなレストランには常連客が多そうだが、
ファーストフード店のようなフードコートのような、
雑然とした雰囲気で入りにくい。


2 ホテルにて

10〜15分程で宿泊先の大きなホテルを見つけました。
外見は古いけれど、
中はクリスマスツリーがあって温かみがります。
フロントの女性もてきぱきしていて良い感じ。

疲れていたので、
空き室があり早めにチェックインできたことは
有り難かったです。

体力があれば一日どこかを散策する予定でしたが、
この時間日本では夜中。
フラフラになりながらシャワーを浴びるのがやっとで、
すぐに寝てしまいました。
フカフカの枕が気持ちいい。


起きるともう夕方。

何か食べて蕁麻疹の薬を飲んでしまいたいと思い
外に出たのはいいけれど、
一人で入るには勇気が要るような
ファーストフードレストランや
流行らない中華料理屋しか見当たらない。
そこらじゅうの道がトイレ臭い。

角にアラビア系コンビニがあったのでそこでオレオを買い、
ホテルへ逃げ戻ってそれを食べ薬を飲みました。

コンビニはオーストラリアでも
アラビア系の人が経営していることが多いのはなぜだろう。

コンビニ経営は仮の姿で、
実は店同士のネットワークを利用した
地下ビジネスがあるのかもしれないと想像してみる。


テレビをぼうっと観たり、また寝たりして、
出張を終えた夫がアリゾナ州からやって来る
真夜中まで過ごす。

料理番組を見ていると
「バター2箱、砂糖2カップ、玉子5個…」
というようなものばかりで、
旅の始めに既に胸焼けしてしまった。


つづく