Saturday 8 October 2011

競輪-KEIRIN


初めて競輪場へ行きました!

夫が自転車に興味があるので
機会があれば観戦させてあげたいと思っていたところ、
川崎競輪場でレースがあることを知り、
初めて行ってみることにしました。

競輪のウェブサイトはとてもかわいいので、
女性や子どもがたくさんいて
楽しい雰囲気なんだろうなと期待します。
ウェブサイトで基本中の基本はあらかじめ勉強しておきました。


この日はナイターで、
午後2時半から8、9時頃までのようです。

川崎駅のバスターミナルから競輪場までの
無料バスが出ているので便利。

バスが来たので一番乗りで席に座ると、
後から来る人たちが入り口付近に置かれた
机の上の配布物に集まっているのが見えます。

何かな?と一度バスを降りて行ってみると、
レース表と賭けのチケットと鉛筆でした。
とりあえず一つずつもらって、バスに乗り、
周りの人たちに習って早速レース表を読むことにしました。

この日レースに出る選手のデータがぎっしり!
これを読み込んで賭けに挑むとは、深いです。
早くも挫折しそうになる私の横で、
夫は真面目にレース表を読み込んでます。


バスが出発し、5分も経たないうちに到着。
競輪場の周りには中年、高齢男性しかいません。
少し嫌な予感。

100円の入場料で中に入ると、案の定警備員と男性観戦客ばかり。
皆かなりカジュアルな格好でピリピリした雰囲気。
外国人の夫と女の私は目立ちます。

ウェブサイトや広告の、あのウェルカムな競輪は…?

アウェイな雰囲気の中、どうしたらいいのか分からず
入り口付近をオロオロしていると、初心者窓口を発見。
中の男性に聞いてみると、賭け方を丁寧に教えてくれました。

他のスタッフもとても親切にしてくれます。
きっと賭け事の汚いイメージを払拭して、
幅広い層のファンを獲得したいという思いがあるのでしょう。
多国語仕様の可愛らしいウェブサイトからも
その情熱が伝わってきます。


とりあえず初めは賭けず、
競技場のすぐそばで1レースを観戦してみました。
すごい迫力!信じられない早さ!
速度が70キロに達することもあるのだとか。
手作りの自転車はとてもエレガントでスムーズです。

選手がこちらに回ってくると、
観戦者が「ばかやろー!」などと汚い言葉を浴びせます。
ちょっとびっくりしてしまったのですが、これは
一種の激励の言葉なのでしょうか?


次のレースまで手持ち無沙汰になったので、
一人1000円の特別席を買いました。
特別席を買うと一部500円の競輪新聞がもらえます。
新聞にはプロの予想が載っているので助かります。

特別席がある6階へ行くと、そこは別世界。
写真はペアシート。他にもカウンター席などがあります。
外の雰囲気とは一転、きれいで静か。
30代〜70代くらいの常連さんらしい夫婦も多い。
席にはそれぞれスクリーンと賭けのチケットが置いてあり、
自動販売機のドリンクが無料。快適です。
席に着くと12レースのうち、7レース目くらいでした。
やっと落ち着いて賭ける余裕ができたので、
1予想100円で1レース2、3予想ずつ賭けました。

戦略や経験やコンディションも重要なので、

順位を当てるのは至難の業ですが、
そこが競輪の面白さなんでしょうね。



高みの見物は気持ちが良い。
自分だけのスクリーンで選手の様子やオッズを
ゆっくりと確認することができるし、
コース全体を見渡せるので、
選手たちのちょっとした戦略も上からすべて見ることができます。

静かな室内でも、ゴールまでの1周はわあっとざわめきます。


時間はあっという間に過ぎ、
全部で1000円ほどしか賭けませんでしたが、
とても楽しかったです。
最後の最後には360円ほど勝ちました。


お金を賭けることには興味はないけれど、
映画のようにエンターテイメント感覚でたまに来てもいいかなと
思えるくらい、楽しい競輪でした。

ナイターでなければ、おそらく
家族連れやカップルも多いのだと思います。

Friday 30 September 2011

永住ビザ取得


夫が永住ビザを取得しました!

3/22に申請を出し、9/29に結果のハガキが来ました。
審査期間が約6ヶ月となっていたので、予定通りです。

申請時のブログはこちら。

9/21頃に気になって管轄の入国管理局に電話してみると、
「審査は終わっていて9/28にハガキを発送します」とのことでした。

審査が終わっているならすぐにでも送って欲しいものです‥
決まった日まで待って通知を出すなんて、
ちょっとお堅すぎませんか?


ところで、申請時に自分で住所氏名を書いたハガキが
審査終了後に送付され、
引き取り時にそれを提出するシステムが最近変わり、
今では申請時に既に引き取り期間が設けられるのだとか。

申請者にとってはかなり助かります。
許可がいつおりるかわからないと、
長期で海外に行くこともままなりません。
申請中に転職や引越し、旅行を考えるときに、
許可期間がわかるだけで色々計画ができます。

私たちも、申請中は旅行や出張も心配でした。
はがきが来たら期間内に取りにいかなければならないのですから。

永住ビザを取得しそれ関連のしがらみがなくなっただけで、
大きな肩の荷が下りた思いです!

あとは、再入国許可と外国人登録カードの有効期限に
縛られるくらいでしょうか。
これらも無意味だと思うんですが…。


これからもっとこういうシステムが
改善されてほしいものです。

Monday 19 September 2011

夏の終わりの鎌倉


三浦海岸駅から電車に乗って鎌倉に到着。

鎌倉駅は相変わらず観光客で混んでいます。
昨日と同じく残暑厳しい日。
日焼け止めを塗って、帽子をかぶっていざ出発!


母は建長寺へ行きたいらしいので、
そこを目指してまずは鶴岡八幡宮に寄ることにしました。

細い裏参道は人の間を縫って歩くほどの混雑ぶり。
関東の人が気軽に行ける古都ということと、
おしゃれなカフェやレストラン、
雑貨屋さんが集まっているということもあり、
若い人から年配の人まで、観光客がたくさんいます。

途中、道ばたで売っていた鎌倉サイダーで休憩。
民家の横のちょっとしたスペースに小さな椅子が置いてあり、
サイダー売りのお兄さんがそこで休んでいくように勧めてくれました。
ラベルが可愛らしい。

レトロな雰囲気を守る店が多いのが魅力。
ついあちらこちらと立ち寄ってしまいます。


鶴岡八幡宮もまた、お祭りのような賑やかさ。
日本各地、外国からも人が集まって、
近所にこんな場所があると楽しいでしょうね。


鶴岡八幡宮を出ると、母が希望していた建長寺へ。
地図上では鎌倉駅方面から北鎌倉駅方面へ歩きます。
大きな道路沿いで、日傘を持っていたらすれ違えないほど歩道が狭くて
あまり楽しい道のりとはいえないけど、
私たちの他にも建長寺目当ての人が結構います。


建長寺は1253年に北条時頼が建立した我が国最古の禅寺で
中国の高僧が迎え入れられ発展したということです。
美しく、堂々としています。

特に2003年に小泉淳作によって描かれた
法堂の天井画は有名で、人だかりができていました。
竜がまるで今にも飛び出してきそうなほど、
生き生きとして法堂の天井を支配します。

すごい存在感です。

法堂の他にもいくつかある建物を拝観ました。
夫は古い柏槙(びゃくしん)に興味津々でした。

建長寺を後にしてうどん屋さんでお昼ご飯を食べた後は
夫の希望で竹の庭園がある報告寺へ。

途中、「源頼朝の墓」という標識があり、
母がぜひ立ち寄りたいとのこと。
住宅街は道路などがきちんと整備されていて、
鎌倉時代からの遺跡が身近にあるなど想像がつきません。

源頼朝の墓は学校の隣の、ひっそりとした丘の上にありました。
墓の周りは当時のまま、という雰囲気で、
特別豪華絢爛でもなんでもありません。
ここでも手を合わせます。


さて、報告寺へ向かいます。

ここは駅から3キロ以上はありそうですが、
かなり混んでいます。若い人が多い。
200円くらいの拝観料を払い、竹の庭園に入ります。

高くまっすぐに伸びる竹林。
今まで竹林を見たことがないので感心しました。
外よりもひんやりしていて、休憩にはもってこいの空気。
あいにく人が多いので並んで拝観しなければならず、
お茶室も満席だったので、あまり長くはいられませんでしたが。

別の中庭も個性的だったので、しばらく眺めていました。

帰りはバスに乗って鎌倉駅に戻りました。
他にもたくさん見たい場所があったのですが、
もう夕方です。次の機会もあるでしょう。。。

帰る前に一休みしたかったのでカフェを探しますが、
駅近くのカフェはどこも満席で、一苦労です。
ようやく地下に入り口のあるカフェに入り、
冷たいカフェオレで小休止。

皆いい具合に疲れて、夏の終わりを満喫しました。

充実した鎌倉旅行でした!

Saturday 17 September 2011

夏の終わりの三浦海岸


9月のある週末、
田舎から来た母と一緒に三浦海岸へ行きました。
夏の終わりですが、この日は残暑が厳しくて日差しも強い!

三浦海岸は三浦半島の先の方にあるので、
地図上では横浜駅から近く見えても
電車で1時間くらいでしょうか。意外と遠い。

この夏はずっと休みがなかったので、
リフレッシュしたくてジムやプールが整っている
リゾートホテルを予約していました。
といっても広い部屋で家族みんなで泊まることができる
コンドミニアムのような結構カジュアルなホテル。


ホテルに到着すると、良い色に肌が焼けた子どもたちが
水泳バッグを持ってはしゃいでいます。
夏休みも終わりに近づいて、
最後の一代イベントといったところでしょうか。

チェックインを済ませ、部屋に入ると
ベランダの窓一杯に広がる海が目に飛び込んできました。

なんと癒されることでしょう!
靴も荷物も投げ出して、ベランダに出ると
暖かい潮風に包まれます。


浜辺で遊ぶウィンドサーファーたち、
浅瀬のヨットや沖の方に浮かぶ船。
忙しい日常から離れて、
やっと気持ちが落ち着いていく実感があります。


部屋でお茶を飲んでくつろいだ後、
プールへ行きました。

プールは思っていたより人が少なく、
1レーン中に一人か二人しかいません。

はっきり言って泳ぎは得意ではありません。
ジムに行ってもランニングをすることが多いので
水泳からどんどん遠ざかっていたのですが、
改めて泳いでみると気持ちがいいものです。

泳いでから隣接のスパ温泉へ。
プールと温泉を掛け合わせたような所。
体も温まります。


運動をして気分がさっぱりしたところで、
夕食までの間、ビーチまで歩くことにしました。

ここから近い湘南の海は関東圏の人たちが集まる場所なので
混雑して足の踏み場もないほどですが、
三浦海岸の海は普通の海のように静かです。
地元色が強く、所々に小さくておしゃれなカフェや
サーフショップやレストランもあります。



夕方の海は穏やか。

波、風、波、風、波、風………


若者のグループが慣れた様子でバーベキューの用意をしています。

夕食はホテルでビュッフェ。
子どもが多いので、ビュッフェは楽しそう。
料理の質は期待していたものよりもずっと良い。
刺身も新鮮だし、他の食材も地元産。
きちんとしたコース料理になります。

水泳が効いているのか、部屋に戻ると皆疲れていて
温泉に行く気力がありません。
温泉は次の日の朝行くことにして就寝。


翌日。
目を覚ますと、日の出が目の前に!

太陽が地平線から顔を出す直前と直後が
一番空が輝く瞬間です。

神々しくて、美しくて、身体の芯から感動します。
この宝物のような瞬間が、毎日毎日私たちの気づかないうちに
訪れているんですね。


さて、朝温泉はとっても贅沢な気分がするものです。
一日の初めから肩の力が抜け、心に余裕ができるというか。
休日の特権ですね。

朝食を済ませ、荷物をまとめて
鎌倉へ向かいます! (「夏の終わりの鎌倉」へつづく)

Sunday 10 July 2011

冬のオーストラリア6

1 シドニーへ

今日は夫の両親とシドニーのホテルに泊まり、
明日の朝そのまま日本へ出発するので、
ここ地元ともお別れです。

朝食の後、義祖母の家に顔を出し、
お別れを言いました。


4人で車に乗ってシドニーのホテルに行く途中、
義父方の祖母にもごあいさつに伺います。
こちらの義祖母も今年90歳になります。
長寿の方がたくさんで、なによりです!

2 Chinese Garden

ホテルに荷物を置き、近くにある
中国庭園まで歩きました。

この辺りは中華街となっているので、
周りの道路や広場の雰囲気はまるでアジア。
道路の真ん中に車を止める人も!


庭園は都心にあるとは思えないほど広く、
池を囲んで伝統的な彫刻を施された門や壁が
人々の目を引きます。

どんな庭園もそうですが、
人が手を加えた自然の美というのもいいものです。
心和みます。

中国菓子と中国茶で一休み。
 この庭園はシドニーの有名観光地の一つ。
多くの観光客が園内を散策しています。


3 夕食

庭園から戻り、ホテルで一休みしてから
夜のチャイナタウンへ繰り出しました。

夕時のチャイナタウンは特に活気があります。
他の地区では見られないであろう、熱心な呼び込みや
メニュー配りが各店の前で行われています。
商売熱心。アジアそのもの。

この辺りは見渡す限りアジア系の人ばかり。
中華料理、韓国料理、日本の赤提灯もあり、
どこも賑わっています。

昔は街の一角だったチャイナタウンもどんどん広がり、
今ではシドニー中心部の多くを占める勢いだそう。
不動産やビジネスはどんどん中国系により所有され、
もはや破竹の勢いでネットワークが広がっています。


義父がウイグル料理レストランへ連れて行ってくれました。
ウイグルは西中国に位置しロシアや東ヨーロッパに近いので、
店内の伝統的な油絵にはヨーロッパ系の人が多く描かれています。
デコレーションも面白い。

料理も私たちが思い描く中華とは少し違います。
野菜炒めや炒飯などは中華風ですが、
シシカバブのような羊肉や鶏肉の串焼きもあり。
とにかく変わっていてとても美味しかったです!
初めてのウイグル料理、いい経験でした。


食後、近くのショッピングモールを物色していたら
日本風のロリータファッション?店を見つけました。
店員さんも日本人のようです。

韓国あたりから取り寄せた服だろうか、と
タグを見てみると、なんとも高価な値段にびっくり!
競争率が低いですからね…。


いよいよ明日、帰路につきます。

元々は2週間ほどオーストラリアに滞在し
1週間はメルボルンを旅するつもりだったのですが、
フライトを予約したのは震災後の『自粛モード』の時。
ぱあっと旅行をする気にもなれず、
義祖母の誕生日のための帰省のみにしたのでした。


それにしても久しぶりのオーストラリアは良かった!

青い空、澄んだ空気、ゆるやかな時間、
奇麗な自然と町、リラックスした人々。
それになにより多文化主義。

本当に癒され、住人が羨ましいと激しく思ってしまう。
アジアのお金持ちがこぞって移住してくるのも納得。

リラックスしすぎて他の世界から
かけ離れすぎている面もあるので、
私たちは将来リタイアしたら住みたいかな…。


でもまだまだ旅したい所はたくさんあります。
西オーストラリア、ウルル、メルボルン、
そしてタスマニアも。
一生かかっても旅しきれません。

また来ます!

Friday 8 July 2011

冬のオーストラリア5

1 散歩

朝早く起きて、近所を散歩。

透き通るような青い空。
思い思いの方向に伸びるユーカリの木に
白いオウムが止っています。

変わった鳥や動物がたくさん。
日本の朝は、小鳥の「チチチ」という声で心地よく目覚めますが
こちらは「ギャーギャー」とまるで猿の戦いよう。

小川を辿って公園の中を歩き、
やがて住宅地へ入りました。

住宅地といっても
広い敷地の中にたっぷりの庭と木を残して
その中央に家があるので、
森を歩いているような感覚です。
古い家もきちんと残っています。
地価高騰で不動産に投資する人が多いので、
少しでも高値で売るために丁寧に管理します。
古い家はそれはそれで価値があるのです。

多くの人が家に興味があり、
「あれは50年代の家だ」などと
すぐに言い当てることができます。
インテリアや庭作りへの情熱も
ただならぬものがあり、
テレビや雑誌でも家関係の話題が多い。

2 Berrima

朝食の後、車で数十分ほどのところにある
可愛らしい町に連れて行ってくれました。
Berrimaは歴史ある町ですが、最近では
シドニーあたりから退職者が移住してくることも多いので
都会の人の避暑地のような存在でもあります。


1838年に建てられた裁判所(今は資料館)の周辺には
石やレンガ造りの建物が立ち並び、
開拓当初の面影を残します。

ちょっとしたショッピング小道には
レンガ造りの長屋に、これまた可愛らしい
雑貨屋さん、香水屋さん、お茶屋さん、
革製品屋さんなどが入っています。

どこも地元産のハンドメイドのものが売り。

小さな町ながら、それぞれに個性があり
センスが光ります。


私はアロマオイルと石けんを探していたので、
香水屋さんに入りました。

クリームやオイル、香水などが
たくさん置いてあります。
奥にフランス系っぽい店のおじさんがいて、
陽気に話しかけてきます。
奥さんが香水調合師で、ここの製品はすべて
オーストラリア産の植物で作ったのだとか。

たくさんの種類の石けんがあって
迷ってしまいます。

おじさんはバカ正直に
「向こうの店にはヤギミルクの石けんが
ここより安く手に入るよ」と
暴露していましたが…

高級感あるアロマ石けんに惹かれて
いくつか購入しました。
特に好きな香りはfrangiapaniとlemon myrtleです。

そして当然、すぐ近くの店で
ヤギミルクの石けんを手に入れました。
評判のヤギミルク石けんは
床から目線の高さのところまで積み上げられていて、
カットしたものもあれば大きいブロックのままのものも!

ヤギミルクタワーを写真に収めておくんだった…


お茶屋さんにはお茶はもちろん
ジャムやソースもずらり。

ハーブや花を調合したお茶も楽しいけれど、
オーストラリアならではのお茶は
素朴なbilly teaやbush tea。

horse raddishというわさびに似た薬味野菜は
私の大好物なので、
ペーストの瓶詰めを買いました。


さて、ショッピングを楽しんだ後は
向かい側にある資料館に寄りました。
1800年代に建てられた、監獄と裁判所です。

いかにもイギリス風の石造りの建物。
監獄と言われたら恐ろしい気もしますが、
普通に見たら古い城のようでもあります。

年代物の家の話になると、みんな
「日本の歴史とは比べ物にならないけど」なんて言いますが、
実際日本で1700〜1800年代築の建物なんて
あまり見かけないような気がします。
木造の上、度重なる戦争や災害がありましたから…


次は、アンティーク屋さんです。
ガレージのような広い店内には、
ありとあらゆる分野のアンティークが揃っています。
欲しいものがたくさんあって…
散歩中に立ち寄った地元の人が
夢中になって店内を物色しています。
何度訪れても毎回何かしら目新しいものを発見する、
宝探しの迷路のような場所です。

食卓に上るフランス製の大皿も、日本製のカップも、
祖先から受け継いだものの他に、
こういう場所から一つずつ集められるんですね。

3 お茶会

家に帰ると、義母はお茶の支度にとりかかりました。
義祖母、叔母たちが集まるお茶会用です。

皆には昨日も会ったばかりですが、
私たちは明日ここを発つことになるので、
できるだけ多くの時間を
家族と過ごさなければなりません。
近所のケーキ屋さんや
パン屋さんで買ったお茶菓子を並べます。


ここで、暖炉に初めの火を焚くために
外で小枝を拾ってくるという仕事を任されました。

「よしっ!」
外はとっても寒いのですが、
私は意気揚々と小枝拾いに出掛けます!
暖炉に焼べる小枝を森で拾う……
なんともロマンチックではありませんか。
まるでグリム童話の主人公のよう。

が、ものの5分もしないうちに「もういいよ」と言われ…
夢は一瞬にして終わってしまいました。
10本ほどの小枝を手に、
やりきれない気持ちで家に戻りました。
無安打に終わりグラウンドを去るバッターのような心境です。


テーブルは奇麗に飾り付けられ、
義祖母や叔母さんたちが集まり、
おしゃべりが始まりました。
色々な話題が飛び交う中、
途中で加わった隣人が、なにやら
近所でニワトリが迷子になったという情報を持ってきました。

2軒先の家だというので、野次馬の私と夫、義父は
行ってみることにしました。
ふむふむ。なるほど、ニワトリ探しています!

ところが、隣人の旦那さんは
そのニワトリを見つけるや否や、
自分の管理している農場に持って行ってしまいましたとさ!

いやはや、平和ですなあ…

4 夕食

皆が帰り、お茶とおしゃべりでお腹もいっぱいですが、
両親がトルコ料理レストランを予約してくれました。


トルコ料理レストランは
テイクアウトもできるカジュアルな場所。
両親一押しのお店なんだとか。

おしゃべりなトルコ人のコックさんは
皆の前で珍しい料理を作って見せてくれたり
説明してくれて、楽しかった。

テーブル一杯のトルコ料理!
さすが世界三大料理の一つ、どれも奥が深い。

食文化の深さは日常食で分かる気がします。
何気なくシンプルな食材でささっと仕上げた料理が
想像以上に美味しいときは、ただ者ではない。

コックのおじさんとの会話も楽しみながら、
お腹いっぱいトルコ料理を楽しみました。


帰り道、寒い夜空には満天の星。
南半球は北半球に比べ、大気汚染が格段に少ないので
星がたくさん見えます。
ミルキーウェイをずっと眺めていたかったのですが、
寒さに絶えきれず、家に入りました。

暖炉を囲んで家族団らん。


明日はシドニーに行きます。

冬のオーストラリア4

この日は義祖母の90歳の誕生日。

義祖母と義叔母たちの家で
朝のお茶会から始まりランチを経て
夕方まで過ごす予定です。


朝食には義父が用意してくれた
みそ汁、ご飯、ニシンの薫製をいただき、
義母が生花を調達しに出掛けました。

私も持参した浴衣に着替えるため、
後片付けを男性陣に任せて
着付けにとりかかります。
和服類は初めてだったので、
友人に教わったにわか仕込みの着付けで
なんとか時間内に形にしました。


早速、車で5分ほどの場所にある
義祖母と義叔母たちの家へ。

皆、尋常ならぬ勢いで喜んでくれました。

それほどに孫は可愛いものなんですね。

完璧なテーブルコーディネートで
用意されたお茶とお茶菓子をいただきながら
会話も弾みます。

ランチはローストポークと野菜、
リンゴのソースとグレービーソース付き。

別の場所を貸し切ってのパーティーや
特別豪華な手料理も考えたそうですが、
本人の希望で普通のローストポークになったそうです。


それでも馬鹿にできない美味しさ。
素材もいいし、焼き具合もいい。
野菜にはしっかりと肉汁の味がしみ込んでます。
思わず焼き方を尋ねてみましたが、
長年の貫禄が感じられる味なので、
これを自分で再現するのは難しそうです。


義祖母は誰からも愛される人なので、
この日も世界中の友人から
お祝いの電話が鳴りっぱなし。
落ち着いて食事をすることもできませんでした。

電話だけでなく、カードや花束も各地から届き、
大きな家の中が花の香りでいっぱいでした。
義祖母のすばらしい人柄が表れているようです。

ちなみにこの後数週間にわたって、
電話や贈り物が絶えなかったそうです。


素敵な一日でした。

Wednesday 6 July 2011

冬のオーストラリア3

1  植物園(Royal Botanic Gardens)

爽やかな朝。
近くの植物園まで散歩に行きました。

丁寧に管理されているここの植物園は
都心にあるにもかかわらず規模が大きく、
オペラハウスのすぐ隣にあります。

片方には高層ビル群、
片方には海。

都会の喧噪の中、ここでは
時間の流れが緩やかに感じます。
通勤・通学途中の人がちらほらと、
本を読んだり朝食を食べたりして
朝のひとときを静かに楽しんでいます。
ジョギングをする人もいます。

5人ほどの庭師や専門家が
それぞれの植物を見て回りながら、
話し合い、管理具合などを確認しています。

あのグループの一員として働けたら、
毎日どんなに楽しいだろうか…と
夢見てしまいます。

やっかいな人間とではなく、
植物と対話していればいいのだから
こんなに癒される仕事はありません。

広い園内を散歩して回ると、
少しお腹がすいてきました。

ホテルへ戻る途中に、通勤者が通う
小さなパン屋さんがあったので、
パッションフルーツやナッツが沢山入ったヨーグルトを買って
ホテルで食べました。

2 Bowral

チェックアウトを済ませると、
義父が迎えにきてくれました。
久しぶりの再会です。

これから夫の実家へ行きます。

実家はシドニーから車で1.5〜2時間ほど南に行った所。
わざわざ迎えに来てくれなくても良かったのですが、
親切にも運転してきてくれました。

夫にとっては1.5年ぶりの父との再会。
積もる話もあるのでしょう、
車の中ではおしゃべり通しでした。


実家に着くと、
なつかしい義母が笑顔で迎えてくれました。

挨拶をしてお土産を一通り交換した後、
私たちのために改装したり手入れをしたという
家を隅々まで見せてくれました。

新しく買った大きなアボリジニアートが掛けられていて、
生花が飾られ、
部屋部屋のベッドや家具がきれいに設えられています。
何ヶ月も前から準備してくれていたそうです。

庭に出ると、東北の地震があった日から
作り始めたのだという、日本風庭園がありました。
この庭園で被災地のことを祈っていたのだとか。
白い石を敷き詰めて、周りに置き石や草を配置し、
まるで京都の枯山水の庭のようです。

相当な労力だったことでしょう。
デザインのことで夫婦喧嘩もしたというし、
草を処理したり、石を敷き詰めたり、
アンティーク店で日本の置物を集めたりも
したのですから。

庭の一角にある家庭菜園も見せてくれました。
チンゲンサイもできていました。
冬なのに緑の野菜が育つんですね。

ここBowralは、シドニーとは違い
東京の冬よりも寒いくらいです。

それをすっかり忘れていたので
今回は冬用の上着は持ってきませんでした。
十分くらい庭に出ていただけで
ぶるぶると震えて家の中に逃げ込みました。
暖炉の火が有り難い。

義母がアフタヌーンティーの支度をしていました。
西オーストラリアの伝統あるフルーツケーキや
地元の砂糖菓子などで、日本茶をいただきました。
ほっとするひととき。

アンティークのカップを使う時&洗う時は
いつも緊張します。この緊張感が
エレガントな雰囲気を作り出すのかもしれませんね。


夜は義母がモロッコ料理を作ってくれました。
4時間もかけて低温で調理したラムのタジンと
アップルクランブルというデザート。
タジンには庭から採ってきたミントと
レモン、スライスしたアーモンドを添えて。


タジン料理にはクスクスを付けます。
クスクスは日本ではあまり馴染みがありませんが、
オーストラリアではかなりポピュラーのようです。

とても美味しくいただきました。

冬のオーストラリア2

1 空港→ホテル(Circular Quay)

約二年ぶりのオーストラリアです。

ビーチに行きたいし、
カフェやレストラン巡りしたいし、
ショッピングしたいし、
ホテルでのんびりもしたい。

もう興奮気味で朝のシドニーに
降り立ちました。

しかしそんなウキウキ気分も
沈んでしまうくらい、
シドニー国際空港は混んでました。

出国手続きに小一時間、荷物検査に一、二時間でしょうか。
空港内は人の列が大蛇のようになって
びっしりと詰まっています。

もう少しどうにかならないかな…。

待っている間、その辺にあった
オフィシャルガイドブックを手に取ってみる。
日本語版は英語版に比べてかなり薄い。
そして、内容もなんだか滅茶苦茶。
直訳的な日本語だし、同じ文が別のコラムにペーストされていたり。

この適当さ。

オーストラリアに来たんだなあ、と
妙に実感しました。


荷物検査にたどり着く前に、
検査員が適当に私たちのパスポートなどを
チェックし、横道から通してくれました。

夫が両替をしている間、青い空に誘われて
空港から少し出てみました。

澄んだ空に、きりっとした奇麗な空気。
これこれ。いかにもシドニーらしい、ポジティブな雰囲気です。
心身の緊張が急にとれて、ハンモックにぶらり身を任せた気分。
思い出しました。

空港からメトロに乗ってホテルのあるCircular Quayへ。
運賃は高かったけど、中心部に行くには便利です。

街の様子は変わっていません。
ビジネスマンがカフェで朝のミーティングをしていたり、
メッセンジャーが行き交います。


ホテルへは早めに着きましたが、
チェックインをさせてくれました。

シャワーを浴びて、着替えて、さあ、出発!

2 ランチ

オーストラリアは多民族国家なので、
様々な文化を楽しめるのが良いところ。
街を歩いていると、よく聞いたことのない言語を耳にします。

イタリア系移民から発展したカフェ文化は強く根付き、
スターバックスなどチェーン店は見かけません。
街の至る所でコーヒーの香りが漂います。

日本ではあまり見かけない
本格的な東南アジア料理や中東料理は、
私がオーストラリアで一番に食べたいもの。
しっかりと人々の日常食となっています。


ランチは、マレーシア料理。
前もって現地の人に聞いてここ!という場所を教えてもらいました。
ホテルのすぐ近くにその店はありました。


ココナッツミルクがベースの
マレーシアの 麺料理、ラクサです。
小さくて簡単な作りのファストフード店の出で立ちですが、
昼時で多くのビジネスマン&ウーマンで賑わっていました。

皆、スープが服に飛び散るのを恐れもせず…
そのくらい、病みつきになる味なんです!

それにしても、麺も鶏肉もスープも
食べても食べてもなくならず…
さらに青唐辛子をトッピングしたものだから
美味しいけれど激辛。

汗をかきながら、夫に手伝ってもらって平らげました。
夕食いらないくらいの満腹ぶり。

皆これを日常的に食べるのか!?
オージーの胃袋の大きさ、恐るべし。

3 ビーチ(Bronte〜Bondi)

お腹がいっぱいになったところで、ビーチへ!

ビーチに行かずして、
シドニーに来た意味はありません!
ということで、バスに乗ってBronteビーチへ向かいます。

ManlyやBondiが有名どころですが、
他にも奇麗なビーチがたくさんあります。


いつも思うのですが、バスがわかりにくい。
普通のバス停には路線図、行き先が書かれていません。
バス内にもアナウンスや路線図がありません。
だから、地元の人のみ行き先を知っているのです。
観光客などは運転手さんに聞くしかありません。

運転手に話しかけて「行かないよ」と言われ、
おろおろした人をよく見かけます。
乗ったところで、どこでブザーを鳴らすのか、
どこで降りるのか、初心者は全くわかりません。

観光地でもあるのだから、
これは改善してほしいポイント。


なんとかBronteエリアに到着。
長年続く地価高騰と住宅購買競争で、
海に近い所はさぞかしリッチな場所なんだと
思っていたけれど、結構落ち着いた所でした。

小さなパン屋さんで懐かしの
Anzacビスケットとginger man breadを買い、
妙にうれしくなってしまう。

パン屋でアルコール中毒らしき
二人の男性が立ち話をしていた。
「洗濯をしたから来春には乾くだろう」と。
こういう光景もまたオージースタイル。


15分くらい歩いただろうか。
ターコイズブルーに輝く透明なBronteの海と、
真っ白な砂浜が見えてきました。

海岸沿いは、すきっとするシドニーの冬らしい風が吹いています。
とはいえ、寒くはないので夏らしい格好をして走っている人が
たくさんいます。

こんな奇麗な近所でジョギングや散歩や水泳ができるなんて、
羨ましい生活です。


海水浴シーズンではないのであまり人はいませんが、
少年たちがサーフィンの練習をしていて、
傍らのプールでは年配の方々が優雅に泳いでいました。

なんと70〜80代くらいのおばあさんも
泳いでいました。健康的!


せっかく来たので、海岸沿いを
Bondiビーチまで歩くことにしました。

一つ小さなビーチを通り過ぎると
大きなBondiビーチが見えてきます。

なにやらにぎやかなイベントをしているよう。
近づいてみると、スケートリンクが!
皆完全に夏の格好でスケートしていて、
横では大きな機械が一生懸命リンクを冷やしてます。

最高のスポーツスポットを目の前にして、
わざわざスケートしなくても…と
反エコを感じてしまいました。

4 ディナー

ホテルに戻り、
Rocksという開拓時から栄えた古いエリアを歩いてから
夕食をすることにしました。
全くお腹は空いていなかったけれど、
折角のシドニーの夜なので、おしゃれをして出掛けます。


夜になると肌寒く、
秋用ジャケットとマフラーで体を温めながら、
古い町を歩きます。

平日の晩だからでしょうか、
閉まっている店もありますが、
開拓当初からある建物はどれも
味があって、歴史が感じられます。

港をのぞむオープンレストランで
食事をすることにしました。
イタリア料理屋さんだったので、迷わず
日本ではあまり食べられないラザニアを注文。

赤ワインを楽しみながら、オペラハウスを眺めます。
シドニーに来た甲斐あり!

レストランの床や壁に敷き詰められた岩は、
開拓時に送られてきていた囚人が作ったもの。
それぞれに金属の棒のようなもので削った跡があり、
相当な重労働だったことがわかります。
それも、賃金は払われなかったのだから、
その人々のことを思うと胸が痛みます。

レストランを出て少し散歩でも、と思いましたが、
寒かったのでホテルに戻りました。


夫がホテルのラウンジで旧友たちと再会している間、
私は大きなバスタブにお湯を張って
ゆっくりと体を温めることができました。